Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

みずぐるま

みずぐるま

山本 周五郎

Lisez みずぐるま de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 27 077 caractères · 54 écrans

Aozora Bunko

若尾は、じっと和次郎の口もとを見つめ、緊張した表情で、こくっと唾をのんだ。

「それはね」と和次郎が云った、「若尾の薙刀の腕にみこみをつけたんだ」

「まあ、いやですわ」

「本当なんだ、もちろん客に見せる芸だから、これまでのようではいけないが、生れつきの才分というか、若尾の薙刀には本筋のものがある、あとで武家の血をひいていると聞いて、みっちり稽古をすれば相当な腕になると思った」

「お兄さまも薙刀をなさいますの」

「私はやらないが姉が上手だった」和次郎の眉が、またしかめられた。が、こんどはそうきつくではなかった、「この家中には磯野萬という女史がいて、正木流の薙刀では江戸にも聞えた達者なんだ、姉も女史の教えを受けたのだが、若尾もそのうちに入門させよう、免許でも取るようになれば河内の家名が立つからね」

「わたくし云いませんわ」若尾が思いいったように唇をひき結んだ、「わたくし、できるでしょうかなんて申しませんわ、きっとやりとげますって云いますわ、きっとですわ」

「いまからそういきまくことはないよ、入門は、もっとさきのことだ、そのまえによく行儀作法を覚えなければね」

若尾は唇をひき結んだまま、黙って、こっくりと大きく頷いてみせた。