Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
みずぐるま
みずぐるま
山本 周五郎
Lisez みずぐるま de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 27 077 caractères · 54 écrans
「それでいいよ」と彼は頷いた、「――悪戯をするのもいいが、度を越えないようにね」
「はい、お兄さま」
「それから、私のことなんぞ、あまり話すんじゃないよ」
若尾は不審そうに和次郎を見返したが、すぐにぼっと赤くなり、(こんどは)袂でいきなり顔を押えると、すばらしい早さで立ちあがって、障子や襖にぶっつかりながら、自分の部屋のほうへ逃げていった。
――あれは惚気というものです。
和次郎はそっといった。逃げてゆく若尾を見送りながら、磯野女史の言葉が鮮やかに耳の中で聞えた。あれは惚気というものです。そして、もう一つの言葉も思いだされた。
――こなたさまが嫁になさるのでしょう。
和次郎は、すばやくあたりを見まわした。その言葉が現実のように高く聞えたかに思われ、誰かに聞かれはしないかという気がしたからである。
「ばかなことを云う人だ」彼は苦笑しながら、こう呟いた、「どういうつもりだろう」
そして和次郎は口をへの字なりにした。
年が明け、年が暮れて、明和七年になった。まる十六年の春を迎えた若尾は、磯野女史の秘蔵弟子として、門人中五席という上位にのぼり、新しい入門者に初歩を教える役についた。