Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

カストリしゃじけん

カストリ社事件

坂口 安吾

Lisez カストリ社事件 (カストリしゃじけん) de Sakaguchi Ango (坂口 安吾) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 10 043 caractères · 21 écrans

Aozora Bunko

「イヤ、社長、そうじゃないです。私は、わが社の社長問題などには毛頭ふれておりません。あなたが、自分から、言われたのです。私は、二十万円のお詫びに、突くなり、斬るなり、お気のすむようにして下さい、と申したゞけです」

花田一郎は蒼白だ。後へは、ひかぬ。死ぬ覚悟である。

いきなり、グアッと、メリケン。花田のからだは、ふッとんだ。ぶッ倒れ、動かない。鼻血があふれてきた。片彦は慌てゝ、二三歩うしろへ忽ち、逃げのびて、

「オレは、違うですよ。単なる、立会人だからね。オレは、しかし、終戦以来、とても、運が悪くッて、こまッちゃうよ。オレ、先日、スシ屋で、ほかの男と間違えて、ケンカをうられて、違いますよ、オレじゃないよ、と云ってるのに、ポカポカなぐられちゃって、運が、わりいよ。オレのオフクロ、子供んときから、成田のオマモリなんか持たせやがって、それが割れちゃったりして、つまらねえことまで、ネザメが悪くって、どうも、気分がよくねえよ。人を、まちがえちゃ、いけねえなア。心細く、なっちゃうよ」

三分か、五分ぐらい、たった。国際親善紳士は、だまって、睨みつけている。

花田は、ぶっ倒れて、鼻血をさかんに吹きあげて、依然、目をとじたまゝ、微動もしない。