Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

カストリしゃじけん

カストリ社事件

坂口 安吾

Lisez カストリ社事件 (カストリしゃじけん) de Sakaguchi Ango (坂口 安吾) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 10 043 caractères · 21 écrans

Aozora Bunko

死んだのか、生きているのか、意識があるのか、ないのか、分らない。

国際親善紳士が、スックと立ち上った。片彦はバネ仕掛にとび上って、逃げ腰となって、

「いけねえな。心臓が、弱くなるよ。オレは、全然、ちがうんだから、まちがえちゃ、いけねえなア。危ぶねえなア。オット、いけねえ」

「つまみだせ」

秘書に云い残して、大紳士は立ち去った。

「ハア、ボクが、つまみだします」

片彦は肩幅一メートル氏の顔色をうかゞいながら、

「たのみます。つまみだしても、いゝですか。死んでるのかな。いいですか、ゆさぶッても。オレを、なぐっちゃ、いけねえなア。なんだか、なぐられそうで、行かれねえもの。ちょッと、はなれて、くれませんか」

片彦は、ぬき足、さし足、近づいて、花田を、ゆさぶる。ものゝ二三分もゆさぶって、ようやく、花田は、目をあけた。

これで、カストリ社事件が終ったのである。

「気を失ったのは、一分間ぐらいなんだ。ワシは、こゝを必死と、死んだフリをしていたんだ。鼻血のヌルヌル、気持のわるいこと。うまく行けば、これで助かる、ワシはそう思うと、あらゆる神仏を念じたな」

これが、花田一郎の述懐であった。