Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

キャラコさん

キャラコさん

久生 十蘭

Lisez キャラコさん de 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 17 819 caractères · 36 écrans

Aozora Bunko

ゆうべのうちに下拵えをして置いた茹卵やハムでサンドイッチをこしらえたり、蜜柑水をつくったりなかなかいそがしいのです。

それができ上ると、ナプキンに包んで膝の上に置き、お台所の椅子に腰をかけて、時間になるのをじっと待っています。

窓がほの白くなり、小鳥がチチと鳴きだす。やっと四時半。まだ、三十分もあります。この三十分が経つのを、あたしは、痩せるような思いで待っています。……

お兄さま。これは、鎮子姉さまからうかがったのですけど、世間では、たしかに、利江子夫人のほうがすこしひどすぎるといっているそうです。

ボクさんのお父さまは、学者肌の緻密な頭を持ったひとで、光学の精密器械をつくる大きな製作所を持っていらっしゃるんですって。

鎮子姉さまのいい方を借りますと、やはり、機縁とでもいうのでしょうか。音楽などで、じぶんの頭をうっとりさせる必要のない久世氏が、お友達に誘われて偶然利江子さんの独奏会へゆき、いっぺんで利江子さんを好きになってしまったのです。誘ったほうが、飽気にとられる始末だったんですって。

ところが、もうそのころ、利江子さんの身辺によくない噂が霧のように立ち迷っていたので、そのお友達は責任を感じて、加勢を募ってできるだけ反対しましたが、久世氏はどうしてもききいれない。