Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ボロやのしゅんじゅう
ボロ家の春秋
梅崎 春生
Lisez ボロ家の春秋 (ボロやのしゅんじゅう) de 梅崎 春生 (うめざきはるお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 129 411 caractères · 263 écrans
「五万ほどいただくとするか」
僕はちょっと黙り込みました。間代は法外に安いのですが、その割にしては権利金が少々高過ぎるような気がしたからです。するとその気配をさとったのか、不破はひょいと顔を向け、ニコニコしながら言いました。
「いや、何なら四万でもいいんだよ」
「そうですか。じゃあ、そうお願いします」
それで話がきまってしまいました。スリが取り持つ縁で、家主と間借人の仲になるなんて、まことに面白く浪曼的なことで、小説のタネにでもなりそうな話ですな。で、その日は不破家をおいとまして八王子に帰り、親爺を口説いて四万円出して貰いました。親爺も四万という金には少し渋ったようですが、僕だって何時までも親がかりでは困るし、以後経済的にも独立するという条件で、やっと出して貰ったのです。もちろん不破家に引越したとて、すぐに画が売れ出すというわけはない。でも僕にはひとつの目論見があったのです。あの不破家の八畳の板の間、あるいは好天気の折は庭先を利用して、毎日曜毎に小学生相手の画の講習実習をやったらどうだろう。さいわい不破家近辺は住宅地域ですから、二十人や三十人は集まるだろうというのが僕の日算でした。