Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

いちのくらさわしょうめんのとうはん

一ノ倉沢正面の登攀

小川 登喜男

Lisez 一ノ倉沢正面の登攀 (いちのくらさわしょうめんのとうはん) de 小川 登喜男 (おがわときお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 5 722 caractères · 12 écrans

Aozora Bunko

一行 小川、田名部、高木(力)

一九三〇年七月十七日(曇・午後夕立)

一ノ倉沢出合(六、〇〇)―雪渓下部(七、〇五)―雪渓の裂け目(七、三五)―雪渓上部(八、二五)―一枚岩の岩場中の台地(九、二〇―九、四〇)―水のあるリンネ上の台地(一、〇〇―一、二〇)―尾根上の岩塊下(三、〇〇)―同岩塊のチムニー上の広い台地(三、三〇)―国境線の尾根(六、五〇)―南ノ耳露営(七、四五)翌朝西黒沢の道を下る。

暑い日中を重いルックザックに汗を絞られつつ、谷川温泉の方から湯檜曾を通って、やっと一ノ倉沢に着いたのは四時頃であった。岩場の様子についてまったく知る所のなかった私たちは、その豪壮な岩壁を見ると直ぐに、道から近くの所へ天幕を張った。谷川木谷の俎で、大した岩も味えずに失望した自分たちは、この沢の鬱林の上に立ちめぐらされた岩の、陰惨な相貌を望むに及んで、新しい岩への熱情と、登攀への高揚せる意志とを吹き込まれた。そして夕闇が全く岩壁を飲込んでしまうまで、暗い壁を幾度も眺め返しつつ、快い空想に耽りながら、いそいそと準備を整え寝に就いたのだった。

その夜は思いがけない蚊の襲撃に悩まされ、破れがちな微睡の中に明けた。