Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ふざいじぬし

不在地主

小林 多喜二

Lisez 不在地主 (ふざいじぬし) de 小林 多喜二 (こばやしたきじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 69 990 caractères · 141 écrans

Aozora Bunko

└───────────────────────┘

」]

「ホオーッ!」

「豪儀なもんだ。矢張りな。」

「有難いもんだ。」

盃と銚子がやかましく、カチャカチャと触れ合った。

――役員や招待された人や講演した人達は、吉本管理人の宅へ引き上げた。そこで水入らずの「酒盛」を始めた。H町からは、自動車で酌婦が七、八人やってきた。――皆は夜明け近く迄騒いでいた。酌婦達はその夜帰らなかった……

阿部や健達は一足先きに表へ出た。星が高い蒼い空に、粒々にきらめいていた。出口から少し離れた暗がりで、二、三人、並んで長い小便をしていた。――側を通ると、

「オ、阿部君!」

ガラガラ声で、伴だった。健と七之助は頭を下げた。

寄ってきて、阿部に、「どうだ、この魂胆は!――直ぐ、あっちさ通信頼むど。」――声を低めて云った。

健は黙って、皆の後をついて行きながら、兎に角、近いうちに阿部を訪ねてみよう、と考えていた。

三

節は悲しかった

「んで……?」

「……………」

節は一言も云わなくなってしまった。

健もだまったまま歩いた。

昼のうちに熟れていた田から、気持の悪いぬるい風が、ボー、ボー、と両頬に当って、後へ吹いて行った。