Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ふざいじぬし

不在地主

小林 多喜二

Lisez 不在地主 (ふざいじぬし) de 小林 多喜二 (こばやしたきじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 69 990 caractères · 141 écrans

Aozora Bunko

」――市街地を指さした。片手に地図を持っていた。

由三が健より先きに周章てて答をひったくった。

「んですよ。」と云った。

それだけで、それが由三には大した名誉なことに思われた。

銃声は東の方から起っていた。それで基線道路から殖民区域七号線へ道を折れて入った。少し行くと、処々道に見慣れなく新らしい馬糞が落ちていた。

「あらッ! あらッ! あら、なア!」

由三が頓狂に叫んだ。田圃を越して、遠く、騎兵の一隊が七、八騎時々見え、かくれ、行くのが見えた。――もう、由三は夢中だった。河堤に出ると、村の人達が二三十人かたまって、見物していた。由三は健の手を離れて、先きに走り出してしまった。見ていると、人の腋の下を潜り、グングン押しわけて一番前へ出てしまった。

百人近くの兵隊が銃を組んで休んでいた。ムレた革と汗の匂いが、皆の立っている処までしていた。――日蔭になっているところには、上半身を裸にして、仰向けに寝ているものが二三人いる。どの兵士も胸の中にがっくり頭を落したり、横になったり――皆ぐったりしていた。然し顔だけは逆上せたように、妙に赤かった。それが気になった。