Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ふざいじぬし

不在地主

小林 多喜二

Lisez 不在地主 (ふざいじぬし) de 小林 多喜二 (こばやしたきじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 69 990 caractères · 141 écrans

Aozora Bunko

」

「まさか……。」

「んでもよ、働き手ば抜かれてしまうべ、行けるんだら親子みんなで行きたいッてよ。」

「ドン百姓からばかし兵隊とりやがるんだものな。一番多いそうだ。」

「嘘か本当かな。」――阿部が云った。「こんなこと聞いたど。村長が徴兵検査に行ったもののうちで、採否の分らねえようなものに、こっそり血書ばさせて、村の名誉にしようとしたって……。」

皆一寸だまった。「へえ!」

「んかな……。」

「まさかよ。」

「俺ありそうだって思うんだ。」――阿部は何時もの癖で、自分の手の爪の先きを見ながら、隅の方でゆっくり云った。

「村長一人の考えからでもないんだ。糸をひいてる奴がいるんだ。――農村青年の思想悪化だなんて、彼奴等青くなってるんだから夢中よ。――此頃の北海タイムスや小樽新聞の農村欄ば見れ。ヤレ農村美談だ、ヤレ何々村の節婦だ、孝子だ、ヤレ何青年団の美挙だ、ヤレ何の記念事業だッて、ムキになって農村の太鼓ばたたいているんでねえか。――所が、実際の農村はどうだ。――彼奴等は死物狂いだんだ。何時迄も百姓ばジッとさせて、何時迄も勤勉に仕事ばさせて置くためには、新聞でこい、雑誌でこい、紀元節でこい、徴兵検査でこい、青年訓練所でこい、機動演習でこい、学校でこい、みんなその目当てのためにドンドン使ってしまうんだ。