Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ふしょうのあに

不肖の兄

豊島 与志雄

Lisez 不肖の兄 (ふしょうのあに) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 18 889 caractères · 39 écrans

Aozora Bunko

それをどうして僕があの晩、浜地の悪口を云い出したかと云えば、実は兄に対する憤懣からだった。

お前も知ってる通り、僕は兄を余り好かない。兄も僕を好かないらしい。僕達二人は性情や嗜好まで随分違っている。

その二人が、遇然一緒に家で飯を食うことになった。兄が結婚して別居してからは、そういうことが稀だったので、僕は母に御馳走さしてやった。というのは口実で、久しぶりに家で酔ってもみたかったからさ。

そして初のうちはうまくいった。ところが、次第に、お前が静子さんと出かけた後のことだが、僕の気持は妙に苛らついてきた。

兄はだいぶ辛棒して僕の相手をしてたらしかったが、三四本目の銚子から、先に飯を食い初めた。その時話は自然に、お前と浜地との結婚問題に落ちていった。

「だがお母さん、」と兄は笑いながら云ったものだ、「浜地君もこんな酒飲の親友を持ってるようじゃあ、余り信用もおけませんね。」

「でもね、」と母も笑いながら云った、「こんなお友達があってもしっかりしてるところは、尚更豪いじゃありませんか。」

そういう会話を僕は聞き流して、一人で杯を重ねていた。母が吟味してるだけに家の酒はうまかった。