Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ふしょうのあに

不肖の兄

豊島 与志雄

Lisez 不肖の兄 (ふしょうのあに) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 18 889 caractères · 39 écrans

Aozora Bunko

酔心地がよかった。そしてつい不調法にも、小唄を口ずさみかけた。だって、いい気持になったんだから仕方がないじゃないか。

それを兄が聞き咎めたのが初まりで、また例の廻りくどい意見になってきた。が僕は知らん顔をしてやった。それがまた兄の気持を害したらしい。

「つまらないものを二つ三つ書きだして、それで芸術家だと納まり返って、ぐうたらな日を送って、羨ましい身分だね。」

「羨ましけりゃあ、あんなちっぽけな会社なんか止しちゃって、兄さんも芸術家になったら……。」

兄も少し酔っていた。が僕もだいぶ酔っていた。

「こないだ、お前が書いたものを読まされて、実に恥しい思いをしたよ。そら、何とかいう題の、淫売婦かなんか出てくる小説さ。僕の会社に、あの雑誌を持ってる男がいて、あなたの弟さんだそうですが実に上手だ、とそう云って僕に読ませるんだ。読んでみて僕は恥しくて、真赤になった。下らないじゃないか。あんなものはもう書くなよ。もっと高尚な、思想的に深みのある、立派なものは出来ないのかね。だから云わないことじゃない、薄汚い女を相手に酒ばかり飲んでるようじゃあ、結局駄目にきまってる。