Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

おかのうえ

丘の上

豊島 与志雄

Lisez 丘の上 (おかのうえ) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 11 034 caractères · 23 écrans

Aozora Bunko

何かを真中にして、一群の人々は円く立並んでいた。松林の中から、なお一人二人ずつ出てきて、その円陣に加わっていった。その真中のが、波に打寄せられ引上げられた、水死人だった。

水死人は波打際から二三尺のところに、仰向に転っていた。濡れた古蓆が一枚上に被せてあった。蓆からはみ出してるのは、額から上の頭部と、膝から下とだけだった。長い髪の毛が、磯に打上げられた海藻のように、毛並を揃えながらうねりくねって、変に赤茶けた色をしていた。膝から下はむき出しで、紫色にふくれ上っていた。押したら風船玉のように破けそうなほど、薄い皮膚が張りきっていた。胴体は鮪か※のように、蓆の下から円っこくふくれ上っていた。

晴れやかな日の光に、蓆からぽっぽっと湯気が立っていた。何で濡れ蓆を被せたのか不思議だったが、その時それが、丁度大きな魚にでも被せたように、如何にも調和して落付いていた。

一人二人ずつ人立がふえてゆくきりで、誰もどうしようという考えもないらしく、無関心なぼんやりした眼付で、黙ってうち眺めていた。すぐ側には、軽やかな波がさーっさっと、砂浜に寄せては返していた。そして初秋の澄みきった日の光が、あたり一面を包み込んでいた。