Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しょうひんよっつ
中勘助随筆集
中 勘助
Lisez 中勘助随筆集 (しょうひんよっつ) de 中 勘助 (なかかんすけ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 15 694 caractères · 32 écrans
五日
命そのものとさえいえるくらい深刻無味のうまみだ。平生から私はめったにまずさを感じたことがない。米のうまみもよく知ってるつもりだった。ところが半世紀以上も味いつづけたその米の味がこれほど貴いものだとは今はじめて知った。とろとろのおまじりのぬるみ、舌にすべるぬめっこさ、甘み、こく。一匙一匙が不老長生の霊薬の思いである。トマトの汁はさっぱりしてるけれど鋭さがあって果汁のような懐しみがない。ネーブルは食べにくいことを除けば好きな果物のひとつだが果汁には色にも味にも妙にどぎついところがあり、どこか銀座娘を聯想させる。葡萄もはじめての見参だ。琅の雫かともみえる青葡萄の汁。
五日
病気のときにはよくあることらしい。仰臥してじっと天井を眺めてると松板の手のこんだ木目がいろいろな生きものの形になってみせる。先方ではおどかすつもりだろう。だがこちらもこの年になっては化けそうに功をへてるのだ。銀の匙の坊ちゃんとは訳がちがう。怖いどころか退屈しのぎになる。顔のま上にはぬえの胴体をとったみたいに猿の頭へいきなり蛇の尻尾をつけた怪物がいる。その隣の板には眼玉ばかり大きくてそのわりに間のぬけた顔の魚が口をとがらしている。