Classiques japonais avec furigana
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ちゅうごくかいきしょうせつしゅう
中国怪奇小説集
岡本 綺堂
Lisez 中国怪奇小説集 (ちゅうごくかいきしょうせつしゅう) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 179 458 caractères · 363 écrans
その丹い色が美しいので衣桁の上にかけて置くと、夜ふけて彼が眠ろうとするときに、ひとりの美しい女が幃をかかげて内を窺っているらしいので、周はおどろいて咎めると、女は低い声で答えた。
「わたくしはこの世の人ではありません」
周はいよいよ驚いて表へ逃げ出した。夜があけてから、近所の人びともその話を聞いて集まって来ると、女の声は袴のなかから洩れて出るのである。声は近いかと思えば遠く、遠いかと思えば近く、暫くして一個の美人のすがたが烟りのようにあらわれた。
「わたくしは博羅に住んでいた韓氏の娘でございます。城が落ちたときに、賊のために囚われて辱かしめを受けようとしましたが、わたくしは死を決して争い、さんざんに賊を罵って殺されました。この袴は平生わたくしの身に着けていたものですから、たましいはこれに宿ってまいったのでございます。どうぞ不憫とおぼしめして、浄土へ往生の出来ますように仏事をお営みください」
女は言いさして泣き入った。人びとは哀れにも思い、また不思議にも思って、早速に衆僧をまねいて仏事を営み、かの丹袴を火に焚いてしまうと、その後はなんの怪しいこともなかった。