Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ふたりのもうじん
二人の盲人
平林 初之輔
Lisez 二人の盲人 (ふたりのもうじん) de 平林 初之輔 (ひらばやしはつのすけ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 6 366 caractères · 13 écrans
そればかりではない。始めのうちは、彼も自分では、わからなくても、世間の人に美しいと言われることに、一種の嬉しさ、肩身の広さを感じていた。だが、それは束の間だった。この嬉しさ、この肩身の広さは、やがて何とも言いようのない拷問に変わっていった。
崖の下で、同じ職業をしている、盲唖学校の同窓の藤木という男が、三日にあげずに彼の家へ遊びにきた。二人が点字で印刷した校友会雑誌を前において、同窓の友の噂をしたり、時には、政府の施政方針を、議論しあったりしているところを、外から聞けば、話してが、こんな不具者同士であるとは思われないほど快活で、元気だった。細君の千鶴子も不具者同士の話題に馴れて、いつも朗らかに調子を合わせていた。二人は、よそ眼にも羨ましい程の親友だった。
ところが、ある日、べつだん何も理由はなかったのだが、どうかしたはずみに、玄石は細君に対して、猜疑の心を抱くようになった。一たんそうした心理が、芽ばえてきたが最後、もうどうすることもできなかった。細君の一挙一動が、彼にとっては拷問の笞になった。
しかし、それには何の根拠もなかった。だから彼は口に出しては、何も言えなかった。