Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

にかいから

二階から

岡本 綺堂

Lisez 二階から (にかいから) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 14 761 caractères · 30 écrans

Aozora Bunko

四 植木屋

銭を払って、前垂で口を拭いて、逃げるように狐鼠狐鼠と出て行った。

講武所風の髷に結って、黒木綿の紋附、小倉の馬乗袴、朱鞘の大小の長いのをぶっ込んで、朴歯の高い下駄をがら付かせた若侍が、大手を振って這入って来た。彼は鉄扇を持っていた。悠々と蒲団の上に座って、角細工の骸骨を根付にした煙草入れを取出した。彼は煙を強く吹きながら、帳場に働くおてつの白い横顔を眺めた。そうして、低い声で頼山陽の詩を吟じた。

町の女房らしい二人連が日傘を持って這入って来た。彼らも煙草入れを取出して、鉄漿を着けた口から白い煙を軽く吹いた。山の手へ上って来るのは中々草臥れるといった。帰りには平河の天神様へも参詣して行こうといった。おてつと大きく書かれた番茶茶碗は、これらの人々の前に置かれた。調練場の方ではどッという鬨の声が揚った。ほうろく調練が始まったらしい。

私は巻煙草を喫みながら、椅子に倚り掛って、今この茶碗を眺めている。曾てこの茶碗に唇を触れた武士も町人も美人も、皆それぞれの運命に従って、落付く所へ落付いてしまったのであろう。

四 植木屋

植木屋の忰が松の緑を摘みに来た。一昨年まではその父が来たのであるが、去年の春に父が死んだので、その後は忰が代りに来る。