Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ごじゅうのとう
五重塔
幸田 露伴
Lisez 五重塔 (ごじゅうのとう) de 幸田 露伴 (こうだろはん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 57 316 caractères · 111 écrans
上人様のあのお言葉の真実のところを味わえば、あくまでお慈悲の深いのが五臓六腑に浸み透って未練な愚痴の出端もないわけ、争う二人をどちらにも傷つかぬよう捌きたまい、末の末までともによかれと兄弟の子に事寄せて尚いお経を解きほぐして、噛んで含めて下さったあのお話に比べて見ればもとより我は弟の身、ひとしお他に譲らねば人間らしくもないものになる、ああ弟とは辛いものじゃと、路も見分かで屈托の眼は涙に曇りつつ、とぼとぼとして何一ツ愉快もなきわが家の方に、糸で曳かるる木偶のように我を忘れて行く途中、この馬鹿野郎発狂漢め、我のせっかく洗ったものに何する、馬鹿めとだしぬけに噛みつくごとく罵られ、癇張声に胆を冷やしてハッと思えばぐゎらり顛倒、手桶枕に立てかけありし張物板に、我知らず一足二足踏みかけて踏み覆したる不体裁さ。
尻餅ついて驚くところを、狐憑きめ忌々しい、と駄力ばかりは近江のお兼、顔は子供の福笑戯に眼をつけ歪めた多福面のごとき房州出らしき下婢の憤怒、拳を挙げて丁と打ち猿臂を伸ばして突き飛ばせば、十兵衛堪らず汚塵に塗れ、はいはい、狐に誑まれました