Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
にんげんひょう
人間豹
江戸川 乱歩
Lisez 人間豹 (にんげんひょう) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 155 989 caractères · 311 écrans
「シッ……ちょっとだまって」
すると隅っこにいた一人が、突然恐怖に脅えた眼を光らせて、一同を制した。
「あれはなんだろう……ほら……君たちには聞こえないのかい……あの声」
思わず澄ます一同の耳に、どこか遠くの方から、かすかに、かすかに、女の悲鳴らしいものが聞こえてきた。
「おい、あの声、蘭子じゃねえか」
「ウン、そうらしい。どこだろう」
気早やの若者たちはもう立ち上がっていた。
「奈落のようだぜ」
「いや、舞台裏かもしれない」
「おい、みんな、行ってみよう」
人々はドカドカと廊下へ出て、草履をつっかけるのももどかしく、先を争うように走り出した。大部分は奈落へ降りていったが、二人だけ舞台裏に廻った者がある。若い道具方とその友だちの鳶の者だ。彼らは決して奈落の闇を恐れたのではなかった。さいぜんの悲鳴を舞台裏からきたものと信じていたのだ。
道具建てを取りかたづけた舞台の上は、原っぱのように広々としていた。高い天井から裸電燈が幾つか下がっている。開演中の照明とは違って、公園の常夜燈みたいに、薄暗くたよりない感じだ。
廻り舞台の大きな二重円形が、まる出しに見えている。