Classiques japonais avec furigana
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さはしじんごろう
佐橋甚五郎
Lisez 佐橋甚五郎 (さはしじんごろう) de Mori Ōgai (森 鴎外) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 6 308 caractères · 13 écrans
と言うのを聞いた。死んだ蜂谷の身のまわりを調べた役人は、かねて見知っている蜂谷の金熨斗付きの大小の代りに、甚五郎の物らしい大小の置いてあるのに気がついた。そのほかにはこの奇怪な出来事を判断する種になりそうな事は格別ない。ただ小姓たちの言うのを聞けば、蜂谷は今度紛失した大小を平生由緒のある品だと言って、大切にしていたそうである。またその大小を甚五郎がふだんほめていたそうである。
甚五郎の行方は久しく知れずにて、とうとう蜂谷の一週忌も過ぎた。ある日甚五郎の従兄佐橋源太夫が浜松の館に出頭して嘆願した。それは遠くもない田舎に、甚五郎が隠れているのが知れたので、助命を願いに出たのである。源太夫はこういう話をした。甚五郎は鷺を撃つとき蜂谷と賭をした。蜂谷は身につけているものを何なりとも賭けようと言った。甚五郎は運よく鷺を撃ったので、ふだん望みをかけていた蜂谷の大小をもらおうと言った。それもただもらうのではない。代りに自分の大小をやろうというのである。しかし蜂谷は、この金熨斗付きの大小は蜂谷家で由緒のある品だからやらぬと言った。甚五郎はきかなんだ。「武士は誓言をしたからは、一命をもすてる。