Classiques japonais avec furigana
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なにがわたしをこうさせたか
何が私をこうさせたか
金子 ふみ子
Lisez 何が私をこうさせたか (なにがわたしをこうさせたか) de 金子 ふみ子 (かねこふみこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 191 571 caractères · 383 écrans
男の子の着物まで借着して来た自分が恨めしかった。
それはまだいい。私の家の暮し向きは日一日と苦しくなって行った。私達はただ売り喰いをしていたのだった。で、鼠入らずももうなくなった。長火鉢も売られてしまった。金に替えられるものは片っ端から売りとばされた。そしてとうとう、私の番になって来た。つまり、私を女郎屋の娘としてだ。
ある日のことだった。
私の家は食うにも困っているということが子供の私にさえわかっているのに、母は私にビラビラの下った赤い梅の花簪を買って来てくれた。それはかねて私の欲しがっていたものだったので、私の喜びようッたらなかった。
母は私の髪を梳きつけて、それを頭に挿してくれた。着物は無論不断着一つしかないのだから新しいのには更えてくれなかったけれど、でも、きちんと格好よく着せなおしてくれた。そうしてくれながら、母は私に、うちはどんなに困っているかとか、お前をこんな風にしておくのは可哀相だとか、いったような話をしみじみと話した。私はついつまされて涙が出そうであった。
だが、そのうち母は、急に言葉の調子をかえて晴々しく私に言うのだった。
「だがねふみや、仕合せなことに、お前を貰ってくれるところがあるんだよ。