Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
にんぎょうものがたり
偶人物語
田中 貢太郎
Lisez 偶人物語 (にんぎょうものがたり) de 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 1 402 caractères · 3 écrans
「だからよ、これで良い正月をしようと云うのだ、どうだ、鬼怒川温泉へでも伴れてってやろうか」
「鬼怒川はいいね」
金五郎はそこで更めて偶人の顔を見た。と、その偶人の眼が動いて淋しそうに笑った。
「わッ」
金五郎は後へ仰けぞったが、直ぐ跳ね起きて外へ走り出た。
「生きてる、生きてる」
その偶人は頭と胴と手足の三つに分けて、箱に入れてあったが、合わせると五尺二三寸の脊丈になるのであった。金五郎はその時から狂人のようになって、夜も昼も暴れまわった。
金五郎の女房は、鬼魅の悪い偶人を一刻も早く始末をしたいと思ったが、同儕にはもうその噂が弘まっているので、何人も買おうと云う者がなかった。女房はしかたなしに人を頼んで、荒川へ持って往って流してもらったが、箱は投げこんだ処へ鐘を附けたように浮かんだままで流れなかった。箱を流しに往った者は、忌いましいので竹竿で突いて流そうとしたが、突いた時はすこし流れるが、直ぐ又元の処へ戻って来た。
もてあました女房は、町屋の火葬場の前にある地蔵院へ往って、理由を話してそこへ封じこめてもらう事にした。地蔵院の住職森徹信は、仔細にその偶人を調べて見た。