Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

にんぎょうものがたり

偶人物語

田中 貢太郎

Lisez 偶人物語 (にんぎょうものがたり) de 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 1 402 caractères · 3 écrans

Aozora Bunko

偶人の箱に古風な筆蹟で小式部と書いてあった。そこで住職は小林文平に就いて調べたところで、これは同じ町屋の林田雪次郎と云う老人の家から出た事が判った。

住職は林田老人の許へ往って偶人の来歴を聞いた。それによると文化年間、吉原の橋本楼に小式部太夫と云う妓がいて、それに三人の武士が深い執着をもって、主家を浪浪するもかまわず、通いつめて自分の有にしようとした。小式部はいろいろと考えた結果、自分の生き姿の偶人を三体造らしてそれぞれ送る事にした。

小式部の依頼を受けた人形師は、その翌日から小式部の許へ通って、小式部の顔を見ながら、偶人を作ったが、小式部はその半ば比から病気でもないのに窶れだして、いよいよ完成と云う日になって呼吸を引きとった。そして、その偶人は遺言によって、三人の武士に贈られたが、その一つが林田老人の知りあいの熊本の武士へ往き、それを後に林田老人が譲り受けたものであった。林田老人は熊本の武士が、その偶人の髪を結うてやる処を時どき見たと云った。