Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ちゅうとう

偸盗

芥川 竜之介

Lisez 偸盗 (ちゅうとう) de Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 48 934 caractères · 97 écrans

Aozora Bunko

その灰を頭から浴びて、ちぢれ髪の、色の悪い、肥った、十六七の下衆女が一人、これも酒肥りに肥った、はげ頭の老人に、髪の毛をつかまれながら、怪しげな麻の単衣の、前もあらわに取り乱したまま、足をばたばた動かして、気違いのように、悲鳴を上げる――と、老人は、左手に女の髪をつかんで、右手に口の欠けた瓶子を、空ざまにさし上げながら、その中にすすけた液体を、しいて相手の口へつぎこもうとする。が、液体は、いたずらに女の顔を、目と言わず、鼻と言わず、うす黒く横流れするだけで、口へは、ほとんどはいらないらしい。そこで老人は、いよいよ、気をいらって無理に女の口を、割ろうとする。女は、とられた髪も、ぬけるほど強く、頭を振って、一滴もそれを飲むまいとする。手と手と、足と足とが、互いにもつれたり、はなれたりして、明るい所から、急にうす暗い家の中へはいった、太郎の目には、どちらがどちらのからだとも、わからない。が、二人がたれだという事は、もちろん一目見て、それと知れた。――

太郎は、草履を脱ぐ間ももどかしそうに、あわただしく部屋の中へおどりこむと、とっさに老人の右の手をつかんで、苦もなく瓶子をもぎはなしながら、怒気を帯びて、一喝した。