Classiques japonais avec furigana
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ひかりとかぜとゆめ
光と風と夢
Lisez 光と風と夢 (ひかりとかぜとゆめ) de Nakajima Atsushi (中島 敦) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 79 032 caractères · 158 écrans
豚の丸焼を頭上に振廻しながら、滝の様な汗を流して叫んでいる有様は、壮観である。我々の持参したビスケットの缶と共に、「アリイ・ツシタラ・オ・レ・アリイ・オ・マロ・テテレ」(物語作者酋長・大政府の酋長)と紹介される声を私は聞いた。
我々の為に特に設けられた席の前に、一人の老いたる男が、緑の葉を頭に載せて坐っている。少し暗い・けんのある其の横顔は、ダンテにそっくりだ。彼は、此の島特有の職業的説話者の一人、しかも其の最高権威で、名をポポという。彼の傍には、息子や、同僚達が坐っている。我々の右手、かなり離れて、マターファが坐っており、時々彼の脣が動き、手頸の数珠玉の揺れるのが見える。
一同はカヴァを飲んだ。王が一口飲んだ時、全く驚かされたことに、ポポ父子がとてつもなく奇妙な吠声を立てて、之を祝福した。こんな不思議な声は、まだ聞いたことがない。狼の吠声の様だが、「ツイアツア万歳」の意味だそうだ。やがて食事になった。マターファが喰終ると、又しても奇怪な吠声が響いた。此の非公認の王の面上に、一瞬、若々しい誇と野心の色が生動し、直ぐに又消去るのを、私は見た。ラウペパとの分離以来、始めて、ポポ父子がマターファの許に来てツイアツアの名を讃えたからであろう。