Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

いりむこじゅうまんりょう

入婿十万両

山本 周五郎

Lisez 入婿十万両 (いりむこじゅうまんりょう) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 10 650 caractères · 22 écrans

Aozora Bunko

「とにかくもう少々お待ちを願います」

浅二郎はそう答えて引退るより仕方がなかった。

恩師寒泉は別離に臨んで、

「これはお主でなければできぬ仕事だ、もし行ってみて妙策がなかったなら、京極家の家譜を調べるがよい、必ず悟る事があろう」

と謎のような言葉を餞別にしたのである。

浅二郎は多度津へ来て、藩政の一般にざっと眼を通しただけで、とても急場を凌ぐ策など建てられる筈がないという事を知った。――そうすると恩師の言葉に頼るより外に法はないから、「京極家家譜」の閲覧を願い出た。

「何の為に家譜を見るのか」

浅二郎には謎だった、「果してお言葉通りを信じてよいものか――?」

そういう迷いも出た。

しかし、現に必至の期日を控えて他に策がないのである。浅二郎は毎日登城するとすぐに書庫へ入って、食事の暇も惜しく家譜の繙読を続けるのであった。

靱負の督促は日毎に烈しく、

「どうだ妙案が建ったか」

「今日こそ待兼ねたがどうした」

「もう幾十日しかないぞ」

と急きに急いてくるし、日は恐ろしいほど迅くたっていく。浅二郎はようやく不安になってきた、――もう一度先生にたしかめた方がよくはないか、家譜を見ろと仰有ったのは、何か別の謎ではなかったのか。