Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

かんこんそうさいはかせ

冠婚葬祭博士

佐々木 邦

Lisez 冠婚葬祭博士 (かんこんそうさいはかせ) de 佐々木 邦 (ささきくに) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 14 762 caractères · 30 écrans

Aozora Bunko

大谷君と清水君が打ち合せて置いて、夜分僕の家へ羽織袴でやって来た。改まって何だろうと思ったら、団さん夫婦が僕を養子に懇望しているということだった。

「変だね。団さんは冠婚葬祭博士の息をかけたくないから、仲人もしないと言っていたのに」

「そこが人間の矛盾だよ」

と正使の大谷君が説明した。

「養子は御免だ」

「団さんは君が然う言うに定っていると断言した。しかし奥さんが諦めない」

「可怪しいぞ、これは。この間父が『お前は養子に行く気があるか?』と訊いた。手が廻っているのかも知れない」

「何とも分らないな、団さんのことで念入りだから」

「一体何処が気に入ったんだろう」

「第一は君の本質、第二は君が亡くなった息子さんに生写しだからだそうだ」

「ふうむ?」

「可哀そうな夫婦だよ。考えてやれ」

「養子といっても、先方に家つきの我儘娘がいるんじゃない。君が望む通りの美人を貰ってやると団さんが言っている。考えてやってくれ」

と副使の清水君が言った。二人は調子を合せて頻りに勧めた。僕は宮崎新八、八男ではないが八番目だ。養子に行く自由は持っているから、兎に角考えて見ることにした。

(昭和十二年八月、講談倶楽部)