Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ぼんじんでん

凡人伝

佐々木 邦

Lisez 凡人伝 (ぼんじんでん) de 佐々木 邦 (ささきくに) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 98 944 caractères · 202 écrans

Aozora Bunko

私達三人は直ぐ逃げ出したが、木の上の野崎君は何うも出来ない。ノソ/\下りて来て、百姓に取っ捉まった。

「さあ。交番へ来い」

と喚き立てゝ放さない。野崎君は金を幾らか払って、漸く堪忍して貰った。それから間もなく、寄宿舎へ柿を売りに来たものがあった。野崎君が三階から見ていたら、例の百姓だった。早速下りて行って、

「この野郎、太い奴だ」

と取っ捉まえた。

「や、旦那ですか?」

と先方も覚えがあった。

「この間は何だ?」

「恐れ入りました」

「学園へ出入りするものが学園の生徒を捉まえるって法があるか?」

「ついお見外れ致しました」

「馬鹿野郎!」

「まあ/\、怺えて下さい」

「あやまるには礼式があるだろう?」

と野崎君は小突き/\論判して、柿を夥かせしめた。決して善良な遣口でない。こんな具合だったから、学園の生徒は近隣の農家に兎角評判が悪かった。

私はいつの間にかこの未信者組との交際が深くなった。鹿爪らしいことばかり言っている信者連中よりも面白い。野崎君も赤羽君も見せかけているほどの悪徳家でない。唯年少客気、無暗に強がる丈けで、真底は好人物だった。高木君は又行き方が違う。腕力は誇らないが、議論で他を負かすのを得意とした。