Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

けんきょう

剣侠

国枝 史郎

Lisez 剣侠 (けんきょう) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 156 961 caractères · 310 écrans

Aozora Bunko

豊かの頬、二重にくくれた頤、本来の老武士の人相は、円満であり寛容であるのに、額を癇癖の筋でうねらせ、眼を怒りに血ばしらせている。

これに反して壮年武士の方は、怒りの代わりに嘲りと憎みを、切長の眼、高薄い鼻、痩せた頬、蒼白い顔色、そういう顔に漂わせながら、焦心る老武士を充分に焦心らせ、苦しめるだけ苦しめてやろうと、そう思ってでもいるように、ジワリジワリと迫り詰めていた。

(やるな)

と浪之助の思った途端、壮年武士の木剣が、さながら水でも引くように、左り後ろへ斜めに引かれた。

誘いの隙に相違なかった。

それに老武士は乗ったらしい。

一足踏み出すと真っ向へ下ろした。

壮年武士は身を翻えしたが、横面を払うと見せて、無類の悪剣、老武士の痩せた細い足を、打ったら折れるに相違ない、それと知っていてその足を……打とうとしたきわどい一刹那に、

「あれ、お父様」という女の声が、息詰まるように聞こえてきた。

正面に立っている屋敷の縁に、十八九の娘が立っていた。

跣足でその娘が駈け寄って来たのと、老武士が木剣を閃めかせたのと、壮年武士が「参った」と叫び、構えていた木剣をダラリと下げ、苦笑いをして右の腕を、左の掌で揉んだのとが、その次に起こった出来事であった。