Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

げきのすきなこどもたちへ

劇の好きな子供たちへ

岸田 国士

Lisez 劇の好きな子供たちへ (げきのすきなこどもたちへ) de 岸田 国士 (きしだくにお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 7 550 caractères · 15 écrans

Aozora Bunko

3 劇のほんとうのおもしろさはどこにあるか

ことに、一番いけないことは、劇の真似をすること、どこかで見たことのある劇の真似、あるいは俳優の真似をすることである。

ある人物に扮するということは、子供が子供なりの空想で、その人物を頭のなかに描いたそのままを、思いきって、自分のからだ、顔つき、動作、衣裳、声、言葉の調子、などで作りあげることである。

そこではじめて、誰の真似でもない、また、誰にも真似のできない、一人の人物のすがたが浮びあがる。それは、脚本のなかに文字で描かれてある人物をもとにしてはいるが、しかし、それはもう、演技者としての君が、君の空想と君の才能と、君の肉体とで、新しい生命をふきこんだ人物である。

その人物は君とともに生き、君とともに見物の前に立っている。その人物が、君の口をかりてしゃべり、君の眼をかりてよろこびの瞳をかがやかし、君の手をかりて涙をふくのである。

この奇蹟のようだが、なんのふしぎもない、手品のようでいて、すこしのごまかしもない、舞台の人物の「生きている」すがたこそ、劇の面白さをつくりだすもとなのである。

3 劇のほんとうのおもしろさはどこにあるか

劇の面白さがそこから出てくるにはちがいないが、劇を面白くするには、それを十分に利用し、それをできるだけ印象の深いものにしなければならない。