Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

じゅういちやぎさぶろうをかたる

十一谷義三郎を語る

豊島 与志雄

Lisez 十一谷義三郎を語る (じゅういちやぎさぶろうをかたる) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 4 959 caractères · 10 écrans

Aozora Bunko

私も三四度加わってみたが、あの面倒くさい勘定がよく分らず、象牙と竹と張合せの牌の感触を楽しむ域に達せず、ただがちゃがちゃと騒々しく忙しいだけなのに癇癪を起して、「麻雀は娯楽でなく無益な労働だ。」という説を立てて非難したが、十一谷君は抗弁もせずにただ笑っていた。

ふだん、書斎で、十一谷君はしきりに茶をたしなんでいた。それも玉露の香ばしいやつで、夜更しをする時などは、何よりも茶が必要だったらしい。あの禿げあがった額、痩せた体躯、腰をまげ加減な姿勢などを、茶とむすびつけて、私は冗談に「茶老人」と呼んでいたこともあるが、その茶老人、私から皮肉られても、ただにこにこと、静かな微笑を見せるきりだった。

十一谷君の愛煙は世に有名である。必ずバットに限るのであって、それを一日に少くとも十五箱は吸っていた。遂には、バットの模様の二匹の蝙蝠をつけた原稿用紙を、わざわざ拵えさしたほどだった。一日に十五箱といえば百五十本、睡眠時間や食事其他の時間を差引いて、一時間に幾本、一本が幾分と、つまらない計算を私はやってみたこともある。而も十一谷君は、蝋引きの吸口を必ず用いて、普通の愛煙家のようにじかに吸うことがなかった。