Classiques japonais avec furigana
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じゅうにしこう
十二支考(上)〔全2冊〕
南方 熊楠
Lisez 十二支考(上)〔全2冊〕 (じゅうにしこう) de 南方 熊楠 (みなかたくまぐす) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 290 735 caractères · 566 écrans
また日高郡丹生川大字大谷に、蚯蚓小屋ちゅうは昔ここの杣小屋へ大蚯蚓一疋現われしを火に投ずると、暫くの間に満室蚯蚓で満たされその建物倒れそう故逃げ帰った、その小屋址という。随分信られぬ話のようだが何か基づく所があるらしい。
明治十八年、予神田錦町で鈴木万次郎氏の舅の家に下宿し、ややもすれば学校へ行かずに酒を飲み為す事なき余り、庭上に多き癩蝦蟆に礫を飛ばして打ち殺すごとに、他の癩蝦蟆肩を聳やかし、憤然今死んだ奴の方へ躍り来た勇気のほど感じ入ったが、それをもまた打ち殺し、次に来るをも打ち殺し、かくて四、五疋殺したので蛙も続かず、こっちも飽きが出て何しに躍り来たか見定めなんだが、上述の蝮を殺した実験もあり、また昔無人島などで鳥獣を殺すとその侶の鳥獣が怕れ竄れず、ただ怪しんで跡より跡より出で来て殺された例も多く読んだから攷うると、いかなる心理作用よりかは知らぬが、同類殺さるを知りながら、その死処に近づく性の動物が少なからぬようで、蚯蚓などの下等なものは姑く措き、蝮、栗鼠ごときやや優等のもの多かった山中には、一疋殺せば数十も集まり来る事ありしを右のごとく大層に言い伝えたのかと想う。