Classiques japonais avec furigana
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じゅうにしこう
十二支考(上)〔全2冊〕
南方 熊楠
Lisez 十二支考(上)〔全2冊〕 (じゅうにしこう) de 南方 熊楠 (みなかたくまぐす) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 290 735 caractères · 566 écrans
支那に限らず日本にも花驢が渡った事ある。かつて一七四六年版、アストレイの『新編航海紀行全書』三の三七八頁にナエンドルフいわく、アビシニアの大使、花驢一疋をバダヴィア総督に贈り、総督これを日本皇師に贈ると、帝返礼として銀一万両と夜着三十領を商会に賜うた。合算して十六万クラウンに当る。何と仰天だろうとあるを読んで、そんな事をもしや邦書に載せあるかと蚤取眼で数年捜すと、近頃やっと『古今要覧稿』五〇九に、『本朝食鑑』を引いて、この事を記しあるを発見した。『食鑑』は予蔵本あれど、田辺にないから『要覧稿』に引いたまま写そう。いわく、〈近代阿蘭陀の献る遍体黒白虎斑の馬あり、馬職に命じてこれを牧養せしむ、馬職これに乗りこれに載す、ともに尋常の馬に及ばず、ただ美色と称うのみ、あるいは曰く騾の族なり云々〉と。『食鑑』は元禄八年人見元徳撰す。因って花驢は、少なくとも今より二百年前本邦へ渡った事ありと知る。花驢は馬とも驢とも付かず、この二畜の間子たる騾に酷似れば、騾の族と推察したは無理ならぬ。『食鑑』とアストレイを合せ攷うるに、その時渡ったはドー(今絶ゆ)の変種、グランツ・ゼブラという種と見える。