Classiques japonais avec furigana
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じゅうにしこう
十二支考(上)〔全2冊〕
南方 熊楠
Lisez 十二支考(上)〔全2冊〕 (じゅうにしこう) de 南方 熊楠 (みなかたくまぐす) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 290 735 caractères · 566 écrans
これからいよいよ馬の心理上の諸象をざっと説こう。ロメーンズいわく、馬は虎獅等の大きな啖肉獣ほど睿智ならず、食草獣のうち象大きい馬より伶俐で象ほどならぬが驢も馬より鋭敏だ、しかしその他の食草獣(牛鹿羊)よりはやや馬が多智だ。馬の情緒が擾馬家次第で急に変化する事驚くべく、馬を擾す方法諸邦を通じてその揆は一だ、すなわち荒れ廻る奴の前二足あるいは四足ことごとく括りて横に寝かせ暫く狂い廻らせ、次に別段痛苦を感ぜず、ただただとても人に叶わぬと悟るよう種々これを責むるに一度かく悟ると馬の心機たちまち全く変り野馬たちまち家馬となる、時に野性に復り掛かる例なきにあらざれど容易く制止し得る、南米曠野の野馬は数百年間人手を離れて家馬の種が純乎たる野馬となったのだが、それすらガウチョス人上述の法を以て能く擾しおわる。インド等で野象を馴らすも似いるがそれは徐々出来すのだから馬擾しほどに眼を驚かさぬ。また奇な事は馬一たび駭けば諸他の心性まるで喪われたちまち狂奔して石壁に打付かるを辞せず、他の獣も慌て過ぎて失心自暴する例あれど馬ほど劇しいものなし。しかし真面目な時の馬は確かに情款濃く、撫愛されて悦び他馬の寵遇を嫉み同類遊戯するを好み勇んで狩場に働く。