Classiques japonais avec furigana
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じゅうにしこう
十二支考(下)〔全2冊〕
南方 熊楠
Lisez 十二支考(下)〔全2冊〕 (じゅうにしこう) de 南方 熊楠 (みなかたくまぐす) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 251 906 caractères · 495 écrans
中には金魚が落雁を食ったような美少年も多く、南方先生「大内の小さ小舎人ててにや/\」てふ古謡を臆い起し、寧楽・平安古宮廷の盛時を眼前に見る心地して、水ばなとともに散り掛かるプラタヌスの下に空腹ながら時ならぬ春を催しやした。かくてあるべきにあらざれば下宿へ還って『用捨箱』を繙くと「鍋取公家というは卑しめていうにはあらず、老懸を掛けたるをいえるなり、老懸を俗に鍋取また釜取ともいう」とある。釜取という名からまた先刻見た美少年どもを想い出したのも可笑しい。「さて今厨にて鍋取を用うる家たまたまあれども草鞋足半の形に作れり、古製は然らず。小さき扇の形したるが、かの老懸に似たる故に然いいしなり。左に模しし画にてその製り様を見たもうべし(第四図イ)、『鹿苑院殿御元服記』永和元年三月の条、〈御車新造、東寺より御輿、御力者十三人、牛飼五人、雑色九人、車副釜取以下〉とあるは、老懸を附けし者の供奉の事を記ししにて釜取といいしは最古し。また『太平記抄』慶長十五年作二十四巻、巻纓の老懸の註に、老懸とは下々の者の鍋取というような物ぞと見え、寛永十九年の或記に浅黄の指貫、鍋取を冠り、弓を持ち矢を負うとあり。