Classiques japonais avec furigana
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じゅうにしこう
十二支考(下)〔全2冊〕
南方 熊楠
Lisez 十二支考(下)〔全2冊〕 (じゅうにしこう) de 南方 熊楠 (みなかたくまぐす) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 251 906 caractères · 495 écrans
昔の諺を解するは随分むつかしい。
エストニヤの譚に、王子豕肉を食うて鳥類の語を解く力を獲、シシリアの譚は、ザファラナ女、豕の髭三本を火に投じてその老夫たる王子を若返らせ、露国の談に、狼が豕の子を啖わんと望むとその父われまず子を洗い伴れ来るべしとて、狼を橋の下の水なき河中に俟たしめ、水を流してほとんど狼を殺す事あり。さればアリストテレスは、豕を狼の敵手と評し、ギリシャの小説にこの類の話数あり(グベルナチス『動物譚原』二巻一一頁)。猪の美質を挙げた例このほか乏しからず。貝原益軒は、猫は至って不仁の獣なるも他の猫の孤児を乳養するは天性の一長と称讃したが(『大和本草』一六)、『後周書』に、陸逞京兆尹たりし時都界の豕数子を生み、旬を経て死す。その家また豕ありてこれを乳養して活かしたといい、『球陽』一三に、尚敬王の時田名村の一母猪子を生み八日後死んだが、その同胞の牝猪孕めるがその小豚を乳育す。いくばくならず自分も子を生んだが一斉に哺養したと記す。気を付けたらしばしば例あるかも知れぬ。
古スパルタ人は万事軍隊式で、豕までも教練厳しく行われその動作乱れず、鈴音に由って整然進退したとマハッフィの一著書で読んだが今その名を記憶せぬ。