Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
なんちしんじゅう
南地心中
泉 鏡花
Lisez 南地心中 (なんちしんじゅう) de 泉 鏡花 (いずみきょうか) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 39 205 caractères · 79 écrans
赤い紐を緊めて、雪輪に紅梅模様の前垂がけです。
それでも、幕が開いて芝居に身が入って来ると、身体をもじもじ、膝を立てて伸上って――背後に引込んでいるんだから見辛いさね――そうしちゃ、舞台を覗込むようにしていたっけ。つい、知らず知らず乗出して、仕切にひったりと胸を附けると、人いきれに、ほんのりと瞼を染めて、ほっとなったのが、景気提灯の下で、こう、私とまず顔を並べた。おのぼり心の中に惟えらく、光栄なるかな。
まあ、お聞きったら。
そりゃ可かったが、一件だ。」
「一件と……おっしゃると?」
「長いの、長いの。」
「その娘が、蛇を……嘘でしょう。」
「間違ったに違いない。けれども高津で聞いて、平家の水鳥で居たんだからね。幕間にちょいと楽屋へ立違って、またもとの所へ入ろうとすると、その娘の袂の傍に、紙袋が一つ出ています。
並んで坐ると、それがちょうど膝になろうというんだから、大に怯んだ。どうやら気のせいか、むくむく動きそうに見えるじゃないか。
で、私は後へ引退った。ト娘の挿した簪のひらひらする、美しい総越しに舞台の見えるのが、花輪で額縁を取ったようで、それも可さ。