Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

るそんのつぼ

呂宋の壺

久生 十蘭

Lisez 呂宋の壺 (るそんのつぼ) de 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 18 375 caractères · 36 écrans

Aozora Bunko

ポルトガル人に談判して、船を焼くことだけはやめさせなくてはならないと、艙口の梯子をあがって行ったが、上り口の戸が釘付けになって、出ようにも出られない。

艫ノ間の上り口はどうだろうと、艫ノ間へ駆けて行くと、乗組の百人、一人残らず後手に括られてころがっている。李旦はと見ると、十字架の前に跪いて一心に祈祷をしていた。

「あいつども、火ば放けよったけん、こぎゃんこつばしとると、焼け死んでしまうたい」

李旦は、それはよく知っているが、いま、お勤めをしているところだから、そっとしておいてもらいたいといった。

吉之丞も憔れて、なんということもなく庄兵衛のそばに坐りこむと、庄兵衛は慰め顔で、

「……むかしより、今に渡り来る黒船、縁が尽きれば、鱶の餌となる、サンタマリヤ」

と鼻唄をうたって聞かせた。

半刻ほどすると、風が落ちて海が凪いだように、急に上の騒ぎがおさまり、舷をうつ波の音が聞えてきた。

吉之丞が立ちあがると、みなも立ちあがって一斉に上り口に殺到した。

上に出てみると、小矢柱が突き転がされて舵場の上に倒れ、帆はズタズタに切られ、舵柄はもぎとられ、船を動かす道具という道具は残りなく壊してあるという目もあてられない狼藉ぶりであった。