Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
るそんのつぼ
呂宋の壺
久生 十蘭
Lisez 呂宋の壺 (るそんのつぼ) de 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 18 375 caractères · 36 écrans
噂らしいものも聞かないのは、いないからなのだろうが、万一ということもあるものだと思い、ディラオへ行って町年寄に聞いてみた。
町年寄の浅井九郎右衛門は苦りきった顔で「あいつは慶長八年に、ミンダナオ島のカガヤンで海賊を働いたうえ、イスパニヤの兵隊の後押しをして、二万人からの明人を殺したことのあるやつだ。そういう始末だから、呂宋へなどやってくるわけはない。あいつのおかげで、われわれは迷惑をこうむっている。やってきたら、ただではおかぬ」
と口をきわめて罵った。
助左衛門が海賊を働いたとは意外だった。もし、それが事実なら、人別のはっきりしている日本人町に住みつくわけはない。呂宋にいるとしても、名を変えて、人知れぬ里で暮しているのにちがいない。理窟はそうだが、それでは探しだすあてがない。
九月の末ごろ、南呂宋のサンミゲルという町に、日本人らしい男が住んでいるという噂を聞いた。
サンミゲルは、呂宋島に東南に伸びだした半島の一角にあるささやかな漁村で、陸つづきになっているが、途中にモロという蛮族が住んでいるので、陸路の旅行はできない。マウバンというところまで行って、そこから土人の舟を雇う。