Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

あづまばし

問はずがたり・吾妻橋 他十六篇

永井 荷風

Lisez 問はずがたり・吾妻橋 他十六篇 (あづまばし) de 永井 荷風 (ながいかふう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 75 586 caractères · 159 écrans

Aozora Bunko

江戸川堤から八幡中山を経て遠く船橋辺までつづく国道である。立並ぶ商店と映画館の燈火に明く照らされた道の両側には、ところどころ小屋掛をしたおでん屋汁粉屋焼鳥屋などが出ていて、夜風に暖簾を飜している。

「お汁粉一杯飲んで行きましょうよ。」

男はつと立止って、さアと言わぬばかり、季子の顔を見詰めながら、一人先へ入ったが、腰掛にはつかず立ったまま、季子の入るのを待っている様子に、そのまま行ってもしまわれず、季子はもじもじしながらその傍に腰をかけた。

一杯目の汁粉を飲み終らぬ中、「もう一杯いいでしょう。割合に甘い。」と男は二杯目を註文した。

季子は初めから何とも言わず、わざと子供らしく、勧められるがまま、二杯目の茶碗を取上げたが、その時には大分気も落ちついて来て、まともに男の顔や様子をも見られるようになった。それと共に、こうした場合の男の心持、と云うよりは男の目的の何であるかも、今は容易く推察することが出来るような気がして来た。二人はもとより知らない人同士である。これなり別れてしまえば、互に家もわからず名前も知られる気づかいがない。何をしても、何をされても、後になって困るような事の起ろう筈がない間柄である。