Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ざいがくりゆう

在学理由

豊島 与志雄

Lisez 在学理由 (ざいがくりゆう) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 10 167 caractères · 21 écrans

Aozora Bunko

一

某私立大学の法学部で植民政策の講義を担任してる矢杉は、或る時、その学校で発行されてる大学新聞の座談会に出席したが、座談会も終り、暫く雑談が続き、もう散会という間際になって、まだ嘗て受けたことのない質問を一人の学生から提出された。植民地に於ける言語というようなことが話題になってた後であるが言語から文章へとんで、現在日本の新聞や雑誌に掲載されてる多くの文章のなかで、句読点、即ちマルやテンが、ひどく軽視されてるような観があるが、それでよいものであろうか、それとも句読点はさほど重要なものではないのであろうか、と、そういう質問なのである。

矢杉はとっさに明答もなしかね、いい加減な返事をしていると、相手の学生は、更に問題を明瞭にしてきた。――自分は半島生れの者であって、日本語にはかなり習熟したつもりでおり饒舌ることには自信を持っているが、文章を書くとなると、どうしても格調が出て来ない。そこで、文章の格調を獲得するのは、句読点を自由に駆使することに在ると考えついて、いくらかその方面で自得するところがあった。然るに、文学者の書いたものなどを読んでも、句読点の重大なこと、謂わばそれぞれの句読点は一つの文字以上の重量を持ってるということが、殆んど誰からも考えられていないような現状である。