Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ざいがくりゆう
在学理由
豊島 与志雄
Lisez 在学理由 (ざいがくりゆう) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 10 167 caractères · 21 écrans
一合二十銭の安酒のせいか、バットの煙のせいか、言葉の調子のせいか、いずれ、ほんの僅かなそして微妙なきっかけだ。それで可笑しくなって、陽気になった。印半纒自身も笑いだして、青年に盃を差しつけた。
「小僧さん、飲めよ。」
「親父さん、飲めよ。」
だがそれはもう、印半纒と浮浪ではなくて、彼等のそして皆の肚の中では、そこにいない彼とその息子とのことだった。
そうして彼は「おやじ」になったのだが、変なことから、その綽名がなお強調された。
常連のなかに、三十六七歳の独身者がいた。自分では独身主義だと云っているが、実は主義というほどのものではなく、生活的なあらゆる事柄に対して卑怯で、放蕩と飲酒とのうちに身をもちくずしてる男だった。いつも旧式な鳥打帽をかぶってるので「とりうち」として通っていた。
その「とりうち」が、或る時「おやじ」と落合って、いい加減に酔が廻った頃、いやに丁寧な様子で「おやじ」に盃をさした。
「あなたに、ああいう立派な息子さんがあろうとは意外でした。仕合せですなあ。ひとつ受けて下さい。息子さんと……親父さんとの、健康を祝して……。」
「おやじ」はぎろりと眼を光らしたが、その反応が自分の胸にきたらしく、それをごまかすかのようにやけに手を振って、これも丁寧に云った。