Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ちじょう
地上
島田 清次郎
Lisez 地上 (ちじょう) de 島田 清次郎 (しまだせいじろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 175 250 caractères · 350 écrans
その相手を捩じ伏せるのだったが、そうした折の朝の光を透して見える和歌子の賞讃と憧憬に充ちた瞳の記憶、また運動場の遊動円木に腰かけて、みんなして朗らかに澄んだ秋の大空に一斉に合唱するとき、平一郎の唱歌に聴きいる少女(和歌子だ)、その少女にあの「いろは」四十八字の歌を唄うとき、いろはにほへと、ちりぬるを、わかよたれそ、つねならむ……その「わかよ」のところを一と際高く唄った心持――平一郎には懐かしく思うのは自分のみではなく、和歌子もまた自分を懐かしく思ってくれているに違いないと考えられたのだ。そうして、学校の往き来に見交わすだけでは寂しさに堪えきれず、それとなく野原をさまよい歩いては、和歌子の家の前を胸を轟かして通って来るのをせめてものことと思うようになってからでさえ、すでに一年を経ているのであった。その大河平一郎にとって、深井が和歌子の隣邸であり、「あ、お和歌さんかい」という親密さであることは大した問題でなければならなかった。
「どうしたものだろうか」平一郎は飯を食い、バナナを食ったせいも加わって、机に頬杖ついたまま考え込むというよりも苛々しい心持で夢みつづけていた。