Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ちじょう
地上
島田 清次郎
Lisez 地上 (ちじょう) de 島田 清次郎 (しまだせいじろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 175 250 caractères · 350 écrans
第六章
そしてそれは俊太郎にとっても綾子にとっても幸福であったろう。そしてお光もこうした苦艱な運命を受けないですみ、北野家もあるいはあれほど惨めに亡びなくてもよかったであろう。一切の運命の狂いの原因は、むかしの天野一郎、いまの天野栄介一人にある! ああ、しかもその忘れてはならぬ大悪魔の天野は冬子をも奪って行ったのである。
お光は合掌し祈るような敬虔な心で、ひとり子平一郎の成長を見まもらずにいられなかった。(天野に勝ち得る者は平一郎より外にない!)
第六章
粛然とした闇の夜である。仲秋近い真夜中の冷気は津々と膚に寒い。暗い地上の物象は暗に吸い込まれて、ただ夜露が湿っぽく下りていた。六百人近い少年が身を潜めて整列していた。そこは広い高台の運動場である。露に湿れた草生が靴の下にあった。水中のように澄みわたった闇である。現世と思われない静けさが、六百の少年の心に浸み入ってくる。時折靴のすれる音、教師達の遠慮深げに歩む音、囁く音より外に断れぎれな蟋蟀の鳴く声がするのみである。
引き緊った静寂が、夜空をわたる幅の広い大砲の音で破られた。闇に人の動く気配がして運動場の正面にあたるところに二つの篝火がぱっと焔を揺らめかし燃えはじめた。