Classiques japonais avec furigana
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ちきゅうとうなん
地球盗難
海野 十三
Lisez 地球盗難 (ちきゅうとうなん) de 海野 十三 (うんのじゅうざ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 84 072 caractères · 168 écrans
そこにある水薬を飲むと、頭痛が直る……」
たしかに人間の声だった。
誰?
と、思って強いて眼を明けてあたりを見まわしたが、誰もいなかった。
変だなアと思っていると、また五秒ほどして、同じ声が、同じ言葉をくりかえして叫んだ。
「座席について、横の壁にある抽出を明けろ。そこにある水薬を……」
神の声か、それとも魔人の声か知らないが、佐々はその言葉に吸いよせられるように感じた。彼はすこしばかり元気を取り戻して、その場に起きあがった。よく見れば、彼は樽の底のようなところに、長くなって倒れていたのである。なるほど傍には、椅子が一つあって、長い皮帯がついている。
佐々はようやくのことで、その座席の上に自分の身体を載せた――壁を見ると、そこには抽出があった。懸金を外して、それを開けてみると、小さい薬壜があって、頭痛鎮静剤というレッテルが貼ってあり、その硝子壜の中には薄青色の液体が入っていた。
神薬か魔薬か、どっちであるか知らない。しかも佐々は躊躇するところなく、その栓をぬいて、口からゴクンゴクンと液体を飲んだ。こんな苦しい頭痛に悩みつづけるなら、いっそ死んだ方がましだと思ったからだった。