Classiques japonais avec furigana
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あおいはらふじんのたいつり
垢石釣游記
佐藤 垢石
Lisez 垢石釣游記 (あおいはらふじんのたいつり) de 佐藤 垢石 (さとうこうせき) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 46 298 caractères · 100 écrans
そしてこの奔流はそのまま、白竜のような相貌で東海道の岩淵から太平洋へ投ずるのだ。
富士川の鮎は大きい。いつの年でも真夏の頃には上流の大島河原、身延、波高島、天神、鰍沢など、秋の落ち鮎の頃には下流の稲子、芝川、岩淵などで一尺に近い力強い鮎が釣れるのである。その中間に在るのが、この十島だ。毎年、九月初めには竿を折るほどの大物が鈎にかかる。殊に、この年は鮎の育ちがいい。もう七月の頃から、上流の方で五、六十匁のものが釣れたのであるから、いまでは七、八十匁から百匁以上の大物が我々を驚かすかも知れないと言って、私がこまごまと川の模様を話すと、井伏君は眼鏡の底から円い小さな眼を※(「目+爭」、第3水準1-88-85)るのだ。
駅前の釣宿で主人から井伏君の使う手箱、囮箱、通い筒など友釣になくてはならぬ道具を借りた。竿は持ってきた長さ三間半の鮒竿を使うことにしたのである。
先ず、私からはじめた。下手が白い飛沫をあげて荒瀬になる肩の少し緩やかなところへ囮鮎を引き込むと、直ぐむずむずときた。しなやかに、汀へ引き寄せて手網で掬えばこれは三十匁ほどのものであった。
そこで私は、井伏君に囮鮎の鼻の穴へ、鼻環を通す次第から、竿の持ち方、足の運び方、鮎が掛ったときの気の持ちようまで仔細に説いた。