Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
だらくろん(ぞくだらくろん)
堕落論・日本文化私観 他二十二篇
Lisez 堕落論・日本文化私観 他二十二篇 (だらくろん(ぞくだらくろん)) de Sakaguchi Ango (坂口 安吾) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 84 198 caractères · 171 écrans
つまり洪水と張り合って生きるのはムリだというのだ。防ぎようがないのだから、勝手に洪水を起させておくに限る。その代り、洪水地帯の住民をそっくり洪水のない地方へ移住させてしまえば、洪水がなくなったと同じことだ。こういう名論である。もうちょッとデカダンの学者は、黄河の洪水を天命と見て、だいたい支那というところは百姓どもが人間を生みすぎて困る国だ。洪水のたびに五十万ぐらいずつ死んでしまうのは人口調節の天命であるから、天命に逆らわん方がよろしい、という説を唱えた。唱えた当人は太平楽かも知れないが、天命によって調節される五十万人の一人に選ばれるこッちの方は助からないから、同じ運命論でも、水と地を争わず、洪水は洪水の勝手にまかせ、人間はさッさと逃げてよそへ住みつけという穏やかな方が好ましい。しかし聖賢はこれを巧言令色というね。逃げた土地の先住民は大迷惑であるし、洪水にまかせる大沃野は実利の大損だ。学者は利巧そうな勝手なことを言うが、住民は洪水を承知で実利の方へ戻ってくるに極っているものだ。
こういう怪物の対策には中間がない。運命にまかせるか、完全にねじふせるか、である。