Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

だらくろん(ぞくだらくろん)

堕落論・日本文化私観 他二十二篇

坂口 安吾

Lisez 堕落論・日本文化私観 他二十二篇 (だらくろん(ぞくだらくろん)) de Sakaguchi Ango (坂口 安吾) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 84 198 caractères · 171 écrans

Aozora Bunko

七月十四日

今日書いた十三枚に就ても、これはこれだけという気持であるが、谷村が岡本をやりこめる、その谷村に素子が反撥する、私はそこから出発しようとしただけで、素子の反撥の真意が奈辺にあるか、私は漠然予想をもっていたが、書きだすと、書くことによって、新に考えられ、つくられて行くだけで、まったく何の目算もない。素子の肉体のもろさが私はひどく気がかりだ。まさかに岡本に乗ぜられ弄ばれることはないだろうと思うだけだ。こんな風に考えているのは、よくないことかも知れぬ。私はなるべく岡本を手がかりのための手段だけで、主要なものにしたくない。この男にのさばられては、やりきれないような気がするのだが、私は然し、そういう気持があってはいけないと思っており、尤も、書いている最中はそういう気持は浮かばない。

七月十四日(晴)

猛暑。尾崎一雄君より速達、東京新聞の時評を送ってくれ、という。速達で返事を送る。今日は一日六回水風呂につかった。関節の力がぬけたような感じがしている。

親類の人の紹介状をもって、浅草向きの軽喜劇の脚本を書きたいから世話をしてくれ、という人がきた。北支から引揚げてきた人だ。