Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
だらくろん(ぞくだらくろん)
堕落論・日本文化私観 他二十二篇
Lisez 堕落論・日本文化私観 他二十二篇 (だらくろん(ぞくだらくろん)) de Sakaguchi Ango (坂口 安吾) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 84 198 caractères · 171 écrans
作家にとって、流れる想念を的確に書きとめることは先ず第一に重要である。私の友人達を見ても、各々他人に判読出来難い乱暴な字でノートをとっているようである。
ドストイェフスキーが婦人速記者を雇い、やがてその人と結婚した話は名高い。伝記によれば、借金に追われ、筆記の速力では間に合わなくなって速記者を雇ったのだと言われているが、それも重要な理由ではあろうが、又ひとつには、そうすることが、彼の小説を損わず、むしろ有益であったからに他ならないと思いたいのだ。あの旺盛な観念の饒舌や、まわりくどくても的確な行き渡り方を読んでみると、筆記では、もっと整理が出来たにしても反面多くを逃したに相違なく、速記によってのみ可能であった効果を見出さずにはいられない。
私達は、自分で速記するよりも、他人をして速記せしめる方が、より良く自らの想念の自由な動きを失わないに相違ない。
私は自分の身辺に、一人の速記者を置いてみたいと頻りに考えるようになった。けれどもその資力はなく、速記術を会得する資力すらなかった。
一度私は、自分だけの速記法を編みだして、それを草稿にして小説を書いてみようと試みたことがあった。