Classiques japonais avec furigana
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とうじょうのきじゅつし
塔上の奇術師/鉄人Q
江戸川 乱歩
Lisez 塔上の奇術師/鉄人Q (とうじょうのきじゅつし) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N3. Touchez un mot pour le sens.
N3 · intermédiaire · kanji et kana modernes · 151 766 caractères · 303 écrans
ところが、そのうちの南がわの壁のあつさは、三〇センチなんだから、それをひいたのこりの一メートルが、北がわの壁のあつさということになる。」
「うん、そうだね。北がわの壁だけが、一メートルもあついんだね。へんだなあ。どうして、そんなにあつくしたんだろう?」
丈吉君は、ふしぎそうに首をかしげるのでした。
「むかし、西洋のお城なんかには、よく、こういうたてかたがあったのだよ。そのあつい壁の中には、秘密のぬけ穴があって、いざというときには、そこから逃げだすしかけなんだよ。この時計やしきも、西洋のお城をまねて作ったんだから、ぬけ穴まで、まねてあるのかもしれないよ。この西洋館をたてた丸伝という時計屋は、たいへんなかわりものだったというからね。」
小林君が説明しますと、丈吉君もうなずいて、
「アッ、そうだ。そのぬけ穴を、四十面相のやつが使っているんだね。だから、時計塔の中で消えうせたように見えたんだ。ヨシ子の手のひらに数字を書いたのも、そのぬけ穴からしのびこんで、ぼくらの寝室へやってきたのだね。」
「そうだよ。いつかの晩、ヨシ子ちゃんが見た白い幽霊ね、あれも四十面相が、大きな白いきれを頭からかぶって、ぬけ穴からはいってきたのだよ。